TFCC損傷

今日は自院でTFCC損傷の手術がありました。

TFCC損傷なのですが、まず、診断が非常に難しいんですよね。

 

手の尺側部が痛いと言って受診されるとあるんですが、

当院の場合、近医受診後、大抵紹介されて受診となります。

 

今回は、持参したレントゲンを見てみると、UlnarPlusになってました。

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で、身体所見をいろいろと取ります。

Fovea sign+

DRUJ 背側Instability +- +-

DRUJ 掌側Instability +- +-

Compession test -

 

DRUJ のInstabilityは、左右なく、Compession testも陰性でした。

 

MRIを施行すると、

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TFCCの背側に高信号が見られます。

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まずは、尺骨を短縮骨切した後に、手関節鏡で確認したところ、今回はMRI通りの背側断裂でした。

背側をOPENにし、断裂部位を縫合

 

術後レントゲンになります。

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より勉強しようと,全日本病院出版のTFCC損傷診療テクニックを購入しました。

 

THA  

今日のTHAでした。

RDCで、股関節の臼蓋が破壊しているのですが、近医ではリウマチ性多発筋痛症と診断され、ステロイドを投与されていたとのことです。

レントゲンでは、骨頭は破壊されておりRDCですね。

 

術前のレントゲン

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レントゲンは、臼蓋がモヤモヤしており、前壁が破壊されていることが想定されます。

このような場合は、術中に前壁の再建が必要になってきます。

当院では、骨移植にて対応しています。

今回は、患者本人のボーンソーでカットした質の悪い頸部を使用して再建しました。

 

術中、確認したところ、臼蓋の前壁が破綻しており、薄くなっておりました。

破壊された大腿骨と衝突し、臼蓋も破綻しているのでしょう。

臼蓋を郭清した後に、自家骨移植を行いました。

なんどか必要でした。

 

 

術後のレントゲン

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それでも、どうにかこうにかそれなりになり完成です。

後療法ですが、移植片の質も悪くCUPの内反も考えられるので、全荷重は、少し遅らせて行こうと思います。

整形外科 専門医試験 過去問(2011~2018)

整形外科 専門医の過去問のおいてある場所って本当に分かりにくいですよね。

学会HPから、過去の雑誌のリンクページに行って見ないといけなんですよね。

 

 

 

そこで、整形外科専門医の過去問をUPしているところを見つけたのでUPしておきます。

 

2018年

https://drive.google.com/open?id=1hYWEjHhFblfhtqGpgftoRiGyQK1So1-I

2017年

https://drive.google.com/open?id=1czvAuV92lNkCbDvBjnuHDJn1lrPLF-Ij

2016年

https://drive.google.com/open?id=1r9Uj7lhUHFSIjO3NeQZ1IPvDqXF8GObj

2015年

https://drive.google.com/open?id=1L_uqWQRPU4darFJP8h1IXCfNnaTzabWs

 2014年

https://drive.google.com/open?id=1stes4-EyaVy_aoynYZkO1YRgWm1Qh6MZ

2013年

https://drive.google.com/open?id=1ANEGKKvUGaQVF2_xB_Z2uCjBkH5NtScg

 2012年

https://drive.google.com/open?id=1Qc6QPmS2Rz6NJsG_jmO4blAvq_tzn7P_

2011年

https://drive.google.com/open?id=1DGCyfqZBA0-B9DRvs7N9LbSuggTLb3YR

 

 

 

 

病気がみえるvol.11 運動器・整形外科

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整形外科卒後研修Q&A(改訂第7版): 問題編/解説編

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標準整形外科学 第13版 (STANDARD TEXTBOOK)

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整形外科専門医試験の受験準備,期限,過去問,申請用紙整形外科卒後

整形外科専門医試験は,卒後6年目に受験資格が得られる試験.

 

今年てっきり受験だと思っていましたら,実は来年でした(あせった)

そもそも日整会のHPでは、特に記載ないので,近い先輩や同期がいない小さな病院勤務ですと,情報が得られず間違えてしまうことも多そうです.

同じ間違いを繰り返す人がいないように(これを見てくれるような人は,受験年度間違えないような気もしますが),まとめておきます.

変更になっていることもあるので,注意が必要です.

 

ちなみに、私、申し込み期限過ぎてた!どうしよう! とあせって,なんとかねじ込んでもらおうと、日整会事務局にどうにか受験できませんか?と電話で尋ねてしまいました。

事務局の電話でのお答えは、申し込みを忘れる人は,毎年います。

その場合、みなさんに翌年に受けてもらっていたので,今回だけ特別対応する事は、できない、と言われました.

ですので,期限を間違えていたらその時点でアウトです.

 

 

 

 

受験年度は,こうなってるんですね.

■卒業年度別整形外科専門医受験資格(卒後,ストレートで行った場合)

2012年卒(H24卒)→2019年1月試験(第31回)

 2013年卒(H25卒)→2020年1月試験(第32回) →俺はここでした ><

2014年卒(H26卒)→2021年1月試験(第33回)

2015年卒(H27卒)→2022年1月試験(第34回)

2016年卒(H28卒)→2023年1月試験(第35回)

2017年卒(H29卒)→2024年1月試験(第36回)

2018年卒(H30卒)→2025年1月試験(第37回)

2019年卒(H31卒)→2026年1月試験(第38回)

2020年卒(H32卒)→2027年1月試験(第38回)

 

 

まず,告示は,紙ベースのあの定期的に送られてくる整形外科学会誌のみで告知されてます.

日整会のHPみても学会誌がPDF化されたもの以外では記載されておりません. 

 

デッドラインは,6月末です.(申請用紙請求の期限です)

腫瘍の単位もそろえておかなくてはいけません.

 

■受験までの流れ

1)準備前の確認

出願資格があるか?

腫瘍の単位,卒後年度,研修年数,症例などです.

各自確認をお願いします。

 

2)提出方法,期限

 6月末まで申請用紙(受験するための書類=願書)をかならず取り寄せる.

 そして、7月末までに申請(受験申込のこと)を学会出すことです.

 

まず,6月末まで(受験するための書類を取り寄せること),日整会事務局に願書くれと申請をしなくてはいけません.

 

 

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■日整会のHPで,受験要領を確認する方法(変更もあると思うので,必ずして下さい)

1)PDF化された受験要領を見るには,日整会のHPの会員ページにまずはログイン

   ログイン後,左上の学会会誌をクリック

 

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2)学会誌のNo4をクリック

  過去の学会誌一覧が表示されるので,学会会誌が表示されるので,受験する年(1番上)のNo4をクリック

 

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3)整形外科専門医審査申請についてをクリック

 

 

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ここまでくれば,受験資格,手続き方法,試験日などの情報は書いております.

 

ちなみに,学会に請求する申請用紙ですが,Fax またははがきにより 4 月下旬以降 6 月 30 日までに下記宛ご請求くださいとなってるんですが,はがきでだせば良いのでしょうかね?

 

 

■受験資格 

 ちなみ受験資格(31回受験者)は,学会誌には,このように書いてあります.

 

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卒後6年経過後(後期研修の4年修了した後)に試験を受けれるという意味らしいです.

具体的には,国家試験に落ちず,初期研修もストレートに終了したとすると,

繰り返しですが,以下のようになります.

 

2012年卒(H24卒)→2019年1月試験(第31回)

 2013年卒(H25卒)→2020年1月試験(第32回)

2014年卒(H26卒)→2021年1月試験(第33回)

2015年卒(H27卒)→2022年1月試験(第34回)

2016年卒(H28卒)→2023年1月試験(第35回)

2017年卒(H29卒)→2024年1月試験(第36回)

2018年卒(H30卒)→2025年1月試験(第37回)

2019年卒(H31卒)→2026年1月試験(第38回)

 

■過去問

ちなみに過去問も,学会誌No4の下記のPDFで参照可能です.

 

 

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また,研修(医)手帳は,教育研修講演等の受講記録が日整会ホームページの会員マイページで確認できる場合は提出する必要はないとのことです.

 

 

 勉強方法は,過去問あつめた本と標準整形外科が基本ですよね.

また,英単語カードなんかを久しぶりに使用してちょこちょこ暗記しております.

 

整形外科卒後研修Q&A(改訂第7版): 問題編/解説編

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標準整形外科学 第13版 (STANDARD TEXTBOOK)

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TKA手術手技

前回の疑問点で,以下の3点を挙げていました.

Kyoceraさんに教えてもらい解決することが出来たのでまとめておきたいと思います.

 

 

①大腿骨サイザーは,どうやって大腿骨近位のどこまで行くのかみるの?

 奥行,横幅はもちろん大事だけれど.

 

→サイザーにより奥行の確認を行う.

 近位までの距離は,スタイラスで計測する.スタイラスには,サイズのメモリがついており,近位のどこまで切れるかを確認し,ノッチを作らないようにする.

→横幅は,実際にトライアルをあててみてサイズを決定する.

APがスタンダード,MLがNARROWというような選択ができるようになっている.

外旋角度は,ほぼ6度で固定されている.

→サイズを決定した後に,BOXスリットを装着し,骨切り位置の確認を行います.

上下に1.5mずつ振ることが可能になっています.

これにより,ノッチを作るのを防ぐことが可能になっています.

 

②脛骨サイザーで,スタイラスは,骨切り量を見ているのか?

  

③そもそも脛骨の骨切り量,大腿骨の骨切り量はどのようにしている?

 脛骨の骨切り量を,作図では,外側,内側骨切り面から関節面まで何mmかは記載しており,この通りにきるためにどのようにメカをつかっているのか?

→作図に従い脛骨スリットにハイトゲージを装着.ハイトゲージにて,例えば外側の骨切り量が8mmであるならば,8mmに設定をしておきます.

その後内側の骨切り量が,4mmであれば,ハイトゲージを4mmに設定して,合わせてみてあうかどうかの確認を行います.

 

トライアルにて,骨切り量が合わないようであれば,主に大腿骨の骨切り量をUPさせて,ギャップの調整を行っている.

TKA 手術手技 

当院で行っているTKAの手術手技を,だらだらとまとめてみました.

TKA専門施設でもないし,メモ的な記載なので,間違っているとこもたくさんあるので,参考にはしないでくださいね.(誰もしないわな)

 

#不明点

まずは,機械の使い方に不明点が多すぎる.

 

①大腿骨サイザーは,どうして大腿骨近位のどこまで行くのかみるの?

 奥行,横幅はもちろん大事だけれど.

②脛骨サイザーで,スタイラスは,骨切り量を見ているのか?

③そもそも脛骨の骨切り量,大腿骨の骨切り量はどのようにしている?

 脛骨の骨切り量を,作図では,外側,内側骨切り面から関節面まで何mmかは記載しており,この通りにきるためにどのようにメカをつかっているのか?

カニ爪をあてて,おおよそ目視で切っているのか?

 

外側の骨切り量+関節隙=インプラントの大きさ+インサータ (内側型の場合)

 スペーサーが最小9mmであるので,この大きさ分は骨切りしないといけないが,それを判定するにはどうすればよいのか?

 

#TKAの手術手技 By Kyocera

 

準備

 膝の洗浄を行う.

 

①皮切
15番メスで,膝蓋骨中心に直上を皮切する.

電メスで,筋膜まで,皮下を剥離していく.

内側広筋は,はさみで筋線維に添うように切離する.

 

②関節面の展開

電気メスで,孔をあけたのちに,エレバにて,内側から関節面を展開する.

膝蓋骨を反転させる.


③大腿骨遠位と脛骨近位の骨棘の切除

大腿骨のfatpadを切離する.

脛骨内側のfatpad,軟部組織を切離する.

屈曲位で行う.

状況診て,PCL レトラクターを使用する.
ACL,PCLの切除
半月板の切除

膝蓋骨周囲の軟部組織を切離する.

 

④大腿骨の骨切り
術前作図で決めていた位置を,ポンチでマーキング
スターティングリーマを軸方向に挿入し,穴をあける.
6°に設定した髄内ロッドの挿入.
ヘッドレスピン2本で固定.
FDカッティングガイドを,ヘッドレスピン2本+1本で固定する.
髄内ロッドを抜去する.
カニ爪で骨切りの大きさを確認し,大腿骨遠位部をボーンソーで骨切りする.

骨切りする際は,MCL.LCLをエレバにてカバーする.


FDカッティングガイドを,抜去する.
ヘッドレスピンも同時に抜去する.

 

⑤脛骨の骨切り
ポンチでマーキング
スターティングリーマを軸方向に挿入し,穴をあける
後方傾斜5°を使用する.
脛骨ロッドはすでに完成されているので,それを穴に通していく.

脛骨ロッドを中趾にあてて,アライメントの確認を行う.
カニ爪にて,骨切り量を確認する.
ヘッドレスピン3本で,骨切りガイドを固定する.

スライドハンマーにて,髄内ガイドを抜去する.

骨切りを行う.
エレバにて,PLC,LCLをカバーする.
ボーンソーにて骨切り.
骨切り後は,ピンの抜去を行う.


⑥スペーサーを入れて合わせてみて,充分屈曲出来るかを確認する.

屈曲位が少ないようであれば,再度,骨切りを行う.
スペーサーは9mmから使用できる.
アライメントバーにて,アライメントの確認.

 

⑦大腿骨のサイジング
外旋角3°に調整したサイザーを取り付ける.

カニ爪にて,奥行,高さ,幅の奥行きを確認する.
サイズが決定したら,ヘッドレスピン2本+1本で固定.
BOXカッティングガイドの取り付けて,カニ爪で骨切り量の確認を行い,BOXピン2本で固定を行った後に,骨切りを行う.
骨切り後は,スライドハンマーで,BOXカッティングガイドを取り外す.


⑧大腿骨トライアル
Fホルダーでトライアルを取り付ける.
ポンチで仮の穴をあけたのちに,ペグドリルで大きく孔をあける.

トライアルを取り外す際は,ホルダーを金づちでたたいて外す.

トライアル問題ないようであれば,トライアルは,取り外す.

 

⑨脛骨のサイジング
アライメントロッドを使用し,サイジング
サイズ決定後,ヘッドレスピン3-4本で固定を行う.
リーマガイドとハンドルをあてて,リーミングを行う.
クラッシャーを用いて穴をあける.

トライアルを取るつける.


⑩トライアル
大腿骨トライアルを再設置して,仮整復を行う.

屈曲に問題なければ,本物を取り付ける.

トライアルにて,アライメント,屈曲能に問題なるようであれば補正する.

 ex1)膝後方軟部組織の切除,半月板の切除,大腿骨中にあるPCL,ACLの切除を行い軟部組織のバランスをとる.

 

⑪膝蓋骨のカッティング
把持器のサイズを決定(サイザーは輪のようになっており,大きさを決める.)
サイズに適応したドリルでを装着し,膝蓋骨をつかんでドリルで膝蓋骨の骨切りを行う.
膝蓋骨の穴あけを行いトライアルを装着させ,縫合が出来そうか確認する.

縫合できそうになければ,膝蓋骨の骨切り量を増加させる.


⑫本物の挿入
セメントを塗り,Tインパクターで脛骨コンポーネントを設置
Fインパクターで,大腿骨コンポーネントを設置する.
Pプッシャーで,パテラの固定を行う.


⑬閉創
ドレーン ドレーン孔は,外側より出す.

1サージロンで関節の閉創
2-0サージロンで皮下縫合
4-0ナイロンで皮膚の縫合