半月板損傷まとめ

半月板損傷の事例が続いているため,まとめてみました.

今勤務している病院では,切除術のみ対応しているため,縫合術については,触れる程度のまとめです.

あくまで,教科書的な内容になります.

 

www.joa.or.jp

 

■半月板の役割

半月板は膝において,スムーズな関節の動き,衝撃吸収,安定性に重要な働きをしている.半月板の縫合術が基本であるが,縫合不可能な症例,スポーツ復帰では半月板切除術が選択される.

 

■半月板損傷まとめ

半月板断裂に対する一般的な治療

1)縦断裂 →1cm以内の全層に至らない場合は放置.1cm以上であれば,血管野であれば縫合.→ただし,血管部位でも縫合不可能であれば,切除する.

2)横断裂,水平断裂→全幅の1/3以下ならラスピングのみで放置. それ以上で1/3以上で血管やを含めば縫合.無血管部位では切除.→ただし,血管部位でも縫合不可能であれば,切除する.

3)円板状半月板 →可動域制限,疼痛の症状あれば縫合術

 

■術後合併症

円板状半月板:離断性骨軟骨炎,水腫

 

後療法

1)切除時

スポーツへの復帰:4-8週 筋力の回復が不充分あるいは,水腫あるときは,復帰を遅らせて,復帰時期を焦らせない.

 

■縫合術への適応

血行野の縦断裂がもっともよい適応

条件付き適応:circumferential fiberが断裂しているため,力学的には不利であるが,手技,機器の向上で適応拡大している.

適応不可:フラップ状,変性断裂,多断裂は適応困難.

 

■代表的な手術手技

1)inside-out

2)all-inside

3)outside-in

 

■ラスピングの適応

プロービングで不安定性のない縦断裂に適応あり