3Dプリンターで股関節作ってみました。

今は、股関節専門病院で働いているんですが、そこの指導医の先生がIT好きな先生でして、ITを使った課題をよく与えてくださります。

 

今までも、筋電図で筋収縮を測定しろなど言われたため、筋電計をはんだごてを使って自作しました。

 

今回は、SPOで股関節の骨きり行うから、イメージトレーニングをするのに3Dプリンターで患者さんの股関節を作ってくれという課題でした。

初めてする手術だし、骨盤切は、ブラインドでの作業もあるため、3Dモデルはとっても有効なんです。

 

さて、まず、SPOですが、低侵襲の骨盤切になります。

SPOに関しては、こちらに詳しく記載されております。

診療紹介-金沢医科大学 整形外科学

 

さて、股関節の3Dモデルの作り方ですが、市販の機器を使ってなんとか完成しました。

 

必要なものですが、

1)患者さんの股関節CTイメージ

2)モデリングソフト(Slicer)

3)3D プリンター本体+材料

この3点だけで、作ることが出来ます。

ソフトの使い方、機器の使い方など手順は煩雑ですが、なんてことはない、単純作業にしか過ぎません。

 

さて、手順ですが

1)股関節CT

股関節を病院でCTスキャンする。

画像は、3D再構成する必要はありません。しても構いません。どっちでもいいです。

そして、自院で施行したものをCDにすれば良いだけです。

CDを以下のソフトで読み取るだけです。

 

2)モデリングソフト

モデリングソフトは、Windows対応のフリーのSlicerを使用しました。

3D Slicer

使い方は、慣れるまで時間はかかりますが、以下のYoutubeで説明されており、これに従えば、作成できました。

ちなみに、私は、ある程度使えるまで2週間くらいかかった。

MACの方は、Osilixなんかを使用すれば、日本語対応もしてますし、作業が楽にすむだろうと思います。

 


Tutorial: Preparing Data for 3D Printing Using 3D Slicer

 

3)3D プリンター

XYZ printingのダヴィンチProを使用しました。

股関節は割と大きいので20×20×20のサイズが必要となるため、このサイズのものを選択しました。

 

いまなら、スキャナー機能も追加されたこれでも構わないと思います。

 

実際の印刷時間は30時間程度です。

なんども失敗しているので、初めて完成するまでは、もっとかかりましたが、、、、

 

材料は、PLA、ABSどちらでも構いませんが、大きなものを作る時は、PLAの方がエラーが少ないので、PLAがおすすめです。

 

DMMでも作成サービスがあるんですが、作成しようとデータを送ると10万円前後の見積もりが返ってきたため、それなら自分で購入するわいと少々高かったのですが、購入を決断しました。

同じように、ワーキングスペースでも時間貸ししてくれるのですが、作成するのに30時間かかるため、これまた3Dプリンターは、1時間2000円の使用料がかかるため、最低でも作成に6万円かかるので、購入したほうが安くなってしまます。

 

thedeck.jp

 

 

取り急ぎ説明しましたが、実際に作るといろいろ問題が出てきます。

 

完成した今も、指導医から、硬いからノミが入れれないので、もう少し柔らかいので作って欲しいとの要望が出てきました。

今は、作成した股関節をシリコンで型取りしてウレタンで作成しようと企んでおります。